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そういうことか!

阪急電車

所要で出かけた大阪からの帰り道、久し振りに梅田から阪急電車に乗った。あいにく空いている座席が無かったので、扉のすぐそばの壁を背もたれにして立つことにした。読みかけの本が面白かったので、きっとあっと言う間に京都に着いてしまうに違いない。

十三からひと組の若い男女が乗車し、僕の前に向かい合うカタチで立った。

女はお喋りで明るい。
男は終始穏やかにうなずいている。
不意に女がメールを打ち出し会話が途切れた。
しばらくすると今度は男が携帯を取りだし、不意に女の手をつないだ。
女が「もう~っ、降りてからメール見てほしかったのに~」。

ドアが開いて女が下車し、ドアが閉まる。
ドア越しにふたりが手を振った。

あっと言う間に京都に着いた。
本は1ページも読めなかったけれど。

# by musicday | 2019-03-28 23:01

Buena Vista Social Club

Buena Vista Social Club_b0047320_15572719.jpg



20数年前に『Buena Vista Social Club』というバンドが、ライ・クーダーとキューバの老ミュージシャンらで結成された。簡単に言うとキューバ中バラバラになっていたかつての名プレーヤーたちを探し出して、ライ・クーダーたちがレコーディングのために集めたバンド。そのアルバムの成功もあって、同名のドキュメンタリー映画もヒットした。
70〜80代の老人たちの演奏の素晴らしさに息が止まる思いだけれど、初めてのアメリカ・ニューヨークでの演奏旅行のシーンが心に残る。彼らは音楽家なのに、世界的な名プレーヤーであるサッチモを知らない。マリリンモンローもアメリカの大統領も知らないのだ。それが悲劇なのではなく、アメリカの事なんて全く関係のない世界で生きている人たちがいるというだけの事なんだなぁ。「酒と煙草とロマンスがあれば俺はええんや」とそのじいちゃんが言っていた。

今年7月で62歳になる。アレもコレもはもういらんなぁ。











# by musicday | 2019-03-21 16:01 | 日常

日本人にしか出来ない

熱波に包まれたある日。

クーラーの届かない場所での仕事は、思考を停止させるのに十分な過酷さで、気を失いそうになりながら重労働を続けていた。

♪オーレーオーレー マツケンサンバァ オーレーオーレー マツケンサンバァ♪

ふと気づけば、いつのまにかこのメロディを小声で歌っている自分がいる。思い返せば、この部分だけをかれこれ一時間以上もだ。「あれ、なんでこの歌ばっかり歌ってるんだろう」と思いつつ、♪オーレーオーレー マツケンサンバァ オーレーオーレー マツケンサンバァ♪……が、どうにも止められない。流行っていた当時、歌い踊る松平 健の異様なパワーに釘付けにはなったが、この歌が気に入っていた訳では決してないし、このサビ部分以外、全く思い出せない。

あのヒットから何年経ったのだろう。その後、松平 健の事など1ミリたりとも考えなかったのに、熱中症寸前のダメージを受けた僕の脳が思い出したのは「マツケンサンバ」だった。

僕は今、クーラーの効いた自室でPCに向かってこれを書いている。
早速、YouTubeで「マツケンサンバ II」を観てみる。松健扮する江戸の殿様風がキンキラキンの和服姿で、同じくカツラにキンラメ和装のダンサーたちと舞台狭しと踊っていた。ツヤのある美しい声、キレのあるダンス、どこをとっても日本人のイメージするであろうサンバのメロディ。♪あぁ恋せよアミーゴ、踊ろうセニョリータ 眠りさえ忘れて踊りあかそう♪ ベタベタだけどみんなが覚えられる歌詞。

ルーツだなんだとウンチクはよそう。こんなの日本人にしか出来ない。
日本人にしか出来ない_b0047320_11083236.jpg















# by musicday | 2018-08-06 11:09 | 日常

初めて作った本

小学3年生くらいだったか、自宅にあったざら半紙(わらばんし)を何枚か重ねて小さな本を作った。

葉書よりも小さなポケットサイズだった。カッター、ホチキス、セロハンテープなどは家にはなかったのか、高価で買えなかったのか、時代のせいか、鉛筆で線を引き、工作用のはさみで切り、糊で綴じ、絵と文字を鉛筆で描いた。今なら描いてから綴じるだろうが、学習帳に絵や字を描くことしか知らない小学生が考えそうな手順で、とても苦労しただろう事は想像に難くない。

生まれて初めての自作本のタイトルは『怪獣大決闘』。2体の怪獣が街をぶちこわしながら暴れ回るだけのストーリーで、漫画のようなものではなく物語と挿絵の体裁だった。絵は好きだったけれどクラスで目立つような才能はないと自覚していたし、文章に至っては上手い下手の基準さえよくわからなかった。ただ、『怪獣大決闘』は、我ながら傑作だと思ったし、「天才小学生、現れる!」という新聞の見出しが頭の妄想世界で小躍りして眠れなかった。

その本をランドセルに忍ばせて、毎日登校していた。当時好きだった女の子Rちゃんか大親友のM君、先にどちらに見せるか考えるだけでドキドキしてしんどくなって、不機嫌になって黙り込んで、やがて二人に嫌われた。

どこへ行ったのかなぁ。大傑作だったのに。


初めて作った本_b0047320_11040304.jpg






















# by musicday | 2018-05-23 11:05 | 記憶

家の裏は墓地

我が家の周辺は、上品蓮台寺という寺の中に十二の院(塔頭)があった事から「十二坊町」と呼ばれている。その敷地のど真ん中を千本通が南北に走り、通り沿いに家々が建ち並んだ。有する墓地も東西にわかれる事となり、この辺りの家の裏はほとんど墓地だ……というより、通りも家も墓の上にあるという方が正しい。

小さな猫の額ほどの墓地は、小さい頃の僕の目には生き物の宝庫だった。ハンミョウ、カタツムリ、彼岸花、どくだみ、グミの実、イチヂク、土蜘蛛、イタチ、リス、カナブン、モンシロチョウ、アブラゼミ、すずめ。

あれは在りし日の夢だったのか。そのほとんどを今は見つけられない。


家の裏は墓地_b0047320_18061636.jpeg










# by musicday | 2018-05-20 18:05 | 記憶


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